波と風のグッドニュ−ス


という片岡義男さんの本を,今「ド−ヴィル」で読んでいます。
最近考えさせられるものばかり続けて読んでいたので,少し骨休めといったところでしょうか。
この小説は,ある雑誌編集者に寄せられたスト−リ−を片岡さんが書き下ろしたという形で、その何編かで
構成されています。
二編目を読み終えたところでこれを打っているんですが,なかなか興味深いです・・・

「ド−ヴィル」でこうやって時間を過ごしている自分は,凄く穏やかで、のんびりしていて、充足しているようです。
何杯かのお茶と,ノ−トと、一冊のペ−パ−バック。
そして何気ない景色と,移ろいゆく季節と、陽の光と、サラサラと流れていく時間・・・
ふと顔を上げ窓外を見やると,少しずつ、でも確実に陽が翳っていく様を感じとる事ができます。
こうしてまた一日が過ぎていく。
僕の前を通り過ぎていく・・・

僕達の暮らしは,まさにバッドニュ−スとグッドニュ−スの繰り返しで。
でもバッドニュ−スの方が多くて。
だからグッドニュ−スを求めて日々生きているのかも知れません。
「明日は明日の風が吹く!」
そう思い,夜明けのこない夜がないように、ただひたすら光のある方を捜し、前を見続けているのかも知れません・・・

なんかとりとめもなくそんな事を思ってしまいました。
一つのグッドニュ−スの為に,いくつものバッドニュ−スに、時には歯を食いしばり、時にはじ〜っとしながら
耐えている・・・
逃げるのではなく,どれだけ「辛抱」できるのか、これも生きる上で大切な事なのではと思ったりしています。

外はもう夜の帳を下ろそうとしています。
もう一杯コ−ヒ−を頼み,ケ−キを久しぶりに食べようかと思案中です。
多分食べるでしょう。(笑)
さて,これから三編目を読み始めたいと思います。
どんな世界を見せてくれるのか楽しみです・・・

皆さんの元にもグッドニュ−スが沢山あるといいですね。

それでは又!!


2000/春


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