カレスコは風の如く


僕にとっては,初パ−ソナリティ−となる番組であった。
そしてあのようにハイテンションな喋りをしようとは,第一声を発するまで思ってもいなかった。
しかし,あの何ともいえぬ、ボケどうしにも関わらず、噛み合っているようで噛み合っていない、ある意味絶妙の
掛け合いは、いい方向へ僕達を導いてくれたようだ。
まさに,「結果オ−ライ!」という感じである。
インタ−さんの番組は,今は、「パステルコレクション」という番組へ移行されているが、皆さんももう御存知で
あろう阿部さんは、会うたび、飲むたび、「カレスコは良かったですよねぇ」を連発している。
それがお世辞ではなく,心底そう思って阿部さんが言っているのだというのを毎回感じながら、「阿部さんは
番組の事を愛してたんだなぁ」とつくづく感じ入っていた。
当たり前の事かもしれないが,その番組をどれだけ愛せるかというものが、非常に大きな部分を占めていると
思うのだが、心底愛するというのは難しい事なのではないのかと思う。
何でもそうだが,言葉ではなんとでも言えてしまう。
「そんな事を言ったら元も子もないじゃないか」と,お叱りを受けそうだが、そう自然に思える番組や役に巡り
合える確率というのは、非常に少ないと思うのだ。
僕は折りにつけ,言ったり、書いたりしているのだが・・・

僕の今までを振り返ってみると,そういった番組や役に、案外多く巡り合えてきたのだと、今更ながらに思う。
だから僕は,今もこうやってこの世界で生きている事ができる。
そして「カレスコ」も,まさしくそういう作品の一つであった。
風のように翔け抜けてしまったが,その足跡は、くっきりと刻み込まれていると、僕は信じている。

高校生の頃,ラジオの深夜番組に夢中だった。
毎週そのパ−ソナリティ−の時間が待ち遠しかった。
聞き手から発信する方へ立場は変わったが,このようなチャンスを与えてもらえた事を僕は感謝している。
又機会があれば喜んでやらせていただきたい。
そして,あの頃のパ−ソナリティ−達のように、多くの人がその時間がくるのを心待ちにしてもらえるような喋り
を綴る事の出来る「語り手」になりたいと、僕は思っている。

2001/6/27 自宅にて


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