ふと食したくなるもの


それは今二つある。
両方とも藤沢にあるのだが,一つは、駅構内にある「カレ−ステ−ション」のチキンカレ−(中辛)
これは中辛といえど僕にとっては辛口と同じレベルのものなのだが,いつの事だったか入って食べてからとい
うもの、「俺には辛すぎるな」と思いつつ、足が向くようになっていった。
カレ−ショップは立ち食いのものから様々入っているのだが,ここのカレ−は他の所に比べて味が濃厚だと感じている。
そしてそこに働いている人にもよるのだが,チキンがゴロゴロ入っていて、これがまた嬉しいのだ。
気がつくとこのカレ−を無性に食べたくなっている自分がいたりする。

そしてもう一つは,サッポロラ−メン「こぐま」
ここで僕が食するのは,「牛乳ラ−メン」、それも大盛り。
前々から気になっていたラ−メン屋だったのだが,ある時「ドト−ル」で隣の女性達が話しているのを小耳に
はさんで行ってからは、その「牛乳ラ−メン」の虜となり、以来それしか僕は食べていない。
この店は古くからあり,コノ字型のカウンタ−になっているのだが、とにかく客足が絶えるという事がない。
ただ並ぶという行為が嫌いな僕は,食べたいと思って行っても、混んでいると踵を返す事を繰り返している。
そして「カレ−ステ−ション」に入るのだ。
この二品は,今の僕にとっては特別な食べ物として心の中を占めている。

これを書いていて憶いだしたのだが,無性に飲みたくなるものもある。
それは僕が良く足を運ぶ小田原のバ−「チキンジョ−ジ」の入口に鎮座する甕に入れられている泡盛の「琉球」だ。
僕は「チキンジョ−ジ」でこれしか飲んでいない。
バ−に入って,今の時期、これのお湯割りしか飲んでいないのだ。
泡盛にはそれこそ色々な種類があり,味も千差万別で様々なのだが、この「琉球」は、後味にゴマの風味が
口の中に残るのが心地良く、その感じが妙に忘れられなくなってしまったようだ。
今までで一度だけ切らしていた事があったのだが,その時は仕方なく前までよく飲んでいた、ソ−ダとトニック
ウォ−タ−、ハ−フ&ハ−フの「ジントニック」を頼んでいた。
しかしそんな夜は,何か今一つだったと記憶している。

「チキンジョ−ジ」でカウンタ−に僕を見かけた時は,手元を見てほしい。
そこには「琉球」が,グラスの中でたおやかな表情をして、僕の口に運ばれるのを待っているだろうから・・・


2003/2/15(土)15:09 小瀧美術館内「Caffe Angeli」にて


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