「ラウンドするばい!!」〜ダンド−徒然日記〜(其の参)


〜ダンド−第一次探検隊〜

4月某日,「DAN DOH!!」の制作現場を訪ねた。
僕は仕事が終わってから駆けつけたのだが,皆は既に監督から色々な説明を受けていたようだ。

メンバ−は,Kさん、Yさん、Nさん、T君、Ya君、僕の6名。
Kさんからの強い要望で,今回の現場訪問が決まった。
監督からも「遊びに来てくださいよ」と言われていたらしく,僕に「本当にお邪魔しても迷惑にならないで
しょうか?」と聞きにきたのだが、「そんな事はないよ、行ったら、監督はじめ皆さん喜んでくれると思うよ」
という僕の答えを受け、早速皆の予定を聞き、飲み会の席で、だいたいの日にちまで決めてしまって
いたのだ。
流石、ダンド−、真っ直ぐである・・・

駅につくと,今は演出でもあるYm君が車で迎えにきてくれた。
「いやぁ,中原さんがいらっしゃるって聞いて、嬉しくて僕がきちゃいました」
彼とは「アリオン」以来,約17年振りの再会である。
ドアを開けると,皆がリラックスしたム−ドで僕を迎えてくれた。
ここはどうやら事務所のようらしい。
監督とは「聖戦士ダンバイン」以来,約20年振りの再会だった。
「ダンド−」の初稿を見せていただいたり,コンテを見せていただいたり、興味深い話は、それこそ
尽きないのではないかと思われた程だ。
2話のビデオもいち早く皆は見せていただいていたらしいのだが,僕が来たという事で、もう一度
流してくれる事となった。
Kさんは椅子を画面間近まで近づけ,食い入る様に見ている。
終わった後,自然と拍手が沸き起こっていた。
と,その間、監督が何やら描いているようだなぁと思っていたのだが、何と、それは僕達一人一人の
キャラで、各々にプレゼントしてくれたのだ。
しかし,僕が「おぉ!」と思い、受け取ったキャラは、新庄ではなかった。
「ダンバイン」のショウ・ザマだったのだ。
「御免中原さん,でも、どうしてもショウを描きたかったんで」
そして,監督自ら作り、色付けもしてくれた、ダンバイン&ショウのミニフィギュア。
「今日に間に合わす為に急いで作ったんですよ」と監督。
今はテレビの上に置いてあるそれを見る度,僕は思いを新たにしているようだ・・・

実際の制作現場は,ここから歩いて10分程のところにあるらしく、スタッフの方が案内してくれる事と
なった。
現場では,各階事に説明を受けながら見学させていただいた。
僕が昔訪ねた某制作現場では,机の下のスペ−スで寝起きをしているスタッフが目についたのだが、
今はそのような事は流石にないようだ。
CGが多様化される昨今にあっても,動画だけはやはり人の手が生み出すもので、中々スケジュ−ル
的にもキツイものがあるという話であった。
しかし,いくら機械化が進んだところで、それを動かすのは人間なのだから、その人の真価が問われ
るのは変わらないのだろうと、僕はボンヤリとそんな事を考えていた。

監督他,案内してくれたスタッフ、そして社長さんにお礼の挨拶を述べ、辞去する。
駅までの道すがら,皆少し興奮気味に今日の出来事を話している。
「皆,良かったらちょっと飲んでいこうか」
「ハ〜イ!」「いいですねぇ」「行きましょう行きましょう・・・」

そんな声を聞きながら,僕は引率の先生よろしく歩を進めていく。

「スマイル〜ショ〜ット!!」
顔を上げると,少し冷たくなってきた空気を切り裂いて、ニコ・ボ−ルが遙かなる高みに駆け上っていく
様が、束の間、見えた気がした・・・


2004/6/5(土)12:27 自宅にて

PS:「ダンド−」とは,この時僕がレギュラ−出演していた、ゴルフアニメ
「DANDOH!!」の事で、この「ラウンドするばい!!」は、そのAR現場やそ
の他諸々の事を赤裸々(笑)に語った、フィクションとノンフィクションが入り混
じった、掲示板に不定期連載されていたものなんです・・・


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