「ラウンドするばい!!」〜ダンド−徒然日記〜(其の七)


〜新庄の複雑な心情〜

新庄は思っていた。

「何故だ,何故私にはこんなに出番がないんだ!」
「私は,歌って踊れてアフレコも出来る、生きながらに伝説と呼ばれている、アンビリ−バボ−で、
ス−パ−で、グレイトなプレ−ヤ−なのに」
「クソ−ッ,それもこれも、もう一人の俺のせいだ、あの寡黙で無口で余り喋らない、ってみんな同じ事
じゃないか、とにかくあの、私は何でも知っています的な、すかした奴のせいだ」
「どうして大事な場面ではいつもあいつなんだ!」
「俺はテレビに映っていない,それもカットされてしまったシ−ンばかりじゃないか」
「あ〜,カ・ン・ガ・エ・レ・バ、考える程、ム・カ・ツ・クゥ〜・・・ウ〜ッ!!」
「ハッ,これでは俺は、あの田崎のようじゃないかぁ!」
「あいつは何であんなに子供達に慕われているんだ」
「俺は知ってるんだぞ,あいつがただ微笑んでいるときは、今日はどこに飲みに行こうか、とか、晩飯は
何にしようか、とか、そんなくだらない事しか考えてないんだって事を」
「な〜にが微笑むようにだ!これだけは自分に言わせてくれっていうから特別に代わってやったのに、
それからだ、あいつばかりになったのは」
「ダンド−達も俺が出ている時は,遠巻きにしてやがって!」
「あいつが出てる時は、先生、先生、って抱きつきやがって!」
「うらやましいぞ,この野郎!って、何で俺がお前をうらやましがらなきゃならないんだ!」
「そうだ,ダンド−達に教えてやらなきゃ、あいつは全然優しくないし、詐欺師だから、気をつけろって」
「未来のある子供達を毒牙に掛けて心の中ではアッカンベ−と舌を出してるとんでもない奴なんだって」

「新庄さ〜ん,出番です!!」

「おっ,俺の久しぶりの出番だ、よしっ今までの借りを一気に返してやるぜ!」
「さぁ,行くぞ!って、あれ、何だか眠いぞ・・・って、またお前かぁ、ここは俺に譲るって言ってた・じゃ・
ない・・か・・・ぁ・・・・・」

「フゥ〜,やっと大人しくなっていただけたようですね」
「同じ私だとは思えませんが・・・仕方ありませんよね,長い付き合いなのですから」

「本番!スタ−ト!!」

「青葉くん・・・」

今日も新庄の複雑な一日が幕を開ける・・・


2004/7/10(土)18:01 茅ヶ崎「ドト−ル」にて

PS:「ダンド−」とは,この時僕がレギュラ−出演していた、ゴルフアニメ
「DANDOH!!」の事で、この「ラウンドするばい!!」は、そのAR現場やそ
の他諸々の事を赤裸々(笑)に語った、フィクションとノンフィクションが入り混
じった、掲示板に不定期連載されていたものなんです・・・


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