「ラウンドするばい!!」〜ダンド−徒然日記〜(其の九)


〜スタジオの赤裸々な告白〜

最近,二箇所で、ある事が行われている。
行われていると言っても,それは全然大した事ではなく、仕事内容とも何ら関係ない、と思っている。
まず一つ目は,僕の座る席から見て左側の、Ya君、Na君、Ys君、I君らの一団。
特にYa君を中心として,他人(ヒト)の台本のセリフを変える行為というのが流行っているようなのだ。
しかし,変えた事が一目瞭然のようで、誰も変えたセリフを読んでくれないらしい。
と,いうか、分ってしまってもいいようなのだ。
しかしそれでも毎回セッセと書き換える事に余念がない。
そんな時の彼はとても真剣で集中していて,いい感じなのだ。
一心不乱といったところだろうか。
それもその筈,修正液で消してからという懲りようなのだ。
それを見ていて思ってしまうのだ。
「俺だったら多分正直にそのまま読んじゃうかもなぁ」と。
しかし,席に戻ってきて自分の台本を見ても、何も修正されていない。
でもそれは当たり前の事なのだ,普通そんな事はしないのだ。
でも・・・
何か物足りなさを感じてしまう今日この頃なのであった・・・

もう一箇所とは。
それは僕の右隣から始まる「聖域」で行われている。
Yさん,Iさん、Kさんの、こちらは微笑ましい風景だ。
先日,テストとテストの合間に隣のYさんが「風の怪獣」を台本の隅に書いていた。
「うまいねぇ」「あっ,どうも」
そんな言葉を交わした暫く後「あ〜っ!」という声に見ると,Iさんが「風の怪獣」に落書きをしたらしい。
「ダンド−,弘平がこげな事したよ!」「弘平、ねえちゃんに何すると!」
と,どうやら、Iさんは「いじめっ子」という構図が出来上がっていたらしい。
これは少し前からのようなのだが・・・
そして飲み会では,Yさんのジュ−スに枝豆の豆を執拗に入れようとしているIさんの姿が。
何回目かの攻撃で成功させ喜ぶIさん。
Yさんは,この日参加出来なかったKさんに早速メ−ルを打っていた。
Iさんも打っていた。
どちらの言い分を信じたかといえば「いじめっ子」のレッテルは伊達ではなかったと記すに留めて
おきたいと思う・・・
その数日後,僕と、Iさんと、Yさんと、T君で、Nさんのライブに行き、帰りに飲みに行った時の事。
「へぇ,この色キレイだねぇ」とYさんのジュ−スを一口飲んだIさん。
「あっ!」という声に見ると,またまたジュ−スの中に豆が見事に入っていた。
「またやったとねぇ!」「え〜っ,あたしじゃないよぉ、やったのは中原さんだよぉ、こうやって
ピッとね・・・」
と,僕が目の前にいるにも関わらず、そのような事をのたまわっていた。
「あ〜っ,中原さんのせいにするなんて!」と、Kさんに報告メ−ルを打ち始めるYさん。
二人とも「Kさんからこんな返事が来ました」と、ダンド−としてのメ−ルも見せてくれる。
一度,Iさんが「次はいじめてやる」というメ−ルを打ったらしく、それに対してYさんに来た「姉ちゃん
助けて!」メ−ルも見せて貰ったのだが、それらの遣り取りは余りにも微笑ましすぎるのだ。
飲み会での,男どものここにはかけない会話と比べて、何と心の洗われる事か。
という事で,僕は時々、そのシャワ−の恩恵に預かっている・・・

今日も二箇所で,それぞれの事柄が進行している。
彼女等の楽しげな会話を右の耳で聞きながら,僕は左隣のH君と、今迄の「大河ドラマ」の話など
をしている。
これも彼女等だけの大切な時間で,僕は邪魔をしないようにしているのだ。
やがて,ディレクタ−が駄目だしに入ってくるまでの、ちょっと心を緩ます時間。
心にも深呼吸は必要だ。
バランスが崩れない限り,何も言う事はないだろう。
そんな事は分っていると,僕は彼等・彼女等を信じているから・・・


2004/8/5(木)19:27 茅ヶ崎「ドト−ル」にて

PS:「ダンド−」とは,この時僕がレギュラ−出演していた、ゴルフアニメ
「DANDOH!!」の事で、この「ラウンドするばい!!」は、そのAR現場やそ
の他諸々の事を赤裸々(笑)に語った、フィクションとノンフィクションが入り混
じった、掲示板に不定期連載されていたものなんです・・・


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