四角い空しか見ていなかった。
四角い森しか見ていなかった。
全てがその四角の中にあった。

叫びはその四角の中で木魂していた。
叫びはその四角の中でもがき続けていた。
全てはその四角に切り取られていた。

歌声はその四角の外へ出ようとしていた。
歌声はその四角の外に飛び出そうとしていた。
全ての中心にその四角が存在していた。

僕の心の中にはいつもその四角が在る。
どんなに広い空を見ていてもその四角が在る。
やがて僕は一人思う。
そんな事はどうでもいいと。
その四角い中に無限の空間が広がっているのだからと・・・


2004/8/26(木)18:29  自宅にて


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