イブの日に文房具を


久しぶりの,銀座「ITO−YA」だった。

或る時期,文房具に凝っていた事があったのだが、先日、雑誌で見かけた小さなノ−トに一目惚れしてしまい、
どうしても実物を拝みたくて、仕事の前に寄ってみる事にしたのだ。
クりスマス・イブという事もあり,店内は人で溢れていた。
「そういえば去年はここでクリスマスカ−ドを買ったんだっけ」
そんな事を懐かしく思い出しながら,各階に寄り道しながら、その売り場を目指した。
「さてどこに・・・」
と目を転じた先に,そいつが飛び込んできた。
「あっ,これだこれだ!」
サンプルを手に取り,ペ−ジを捲る。
しかし小さい。
同じタイプで他にないものかと見渡すと,縦長の物と、一回り大き目の同じ型の物があった。
どれも日記帳である。
メモ帳代わりに使おうかと思っていた僕には残念であったのだが「まぁこれをメモ代わりに使えばいい訳で」と
納得し、黒と焦げ茶の二種の購入を即座に決めていた。
在庫はまだあるとの店員の答えだった。
付属しているミニのシャ−ペンがまた可愛くていい感じなのだ。
フランス製らしい,エレガントで洒落っ気のある一品だ。
向こうの物に比較的多いのだが,これも、外身と中身が一体となっている。
つまり,ノ−トの中身だけ取り替えるという事が出来ないのだ。
なので,完璧な日本人気質である僕などは「でもこれじゃあ勿体無いなぁ」と呟くばかりであったのだが、
今はそんな事は全然気にならず「これはいい!」と手放しで単純に喜んでいたりするのだ。
という訳で,僕はこれからそいつを鞄の片隅にいつも放り込んでいる事だろう。
詳しい形状を書かなくて申し訳ないが,正直いって、あまり多くの人に持ってほしくないのである。
あまり多くは入ってこないようなので。
そこら辺は,どうか一つ御容赦願いたい。
「あっ,そろそろ行かないと」
と「ITO−YA」を出た僕の手には,実はもう一品握られていた。
それは,オ−ルレザ−(ドイツ製)のミニポ−チ。
ちょうど,ミニのヘッドホンなどの小物容れを捜していたのだ。
これは家に帰り包装を解いて「オォッ!」と唸る事になるのだが,それが容れられていた紙のケ−スが何とも
いえず素晴らしかったのだ。
これは是非,何かに使用したいと思っている・・・

黄昏時間近の銀座の街を歩く僕の心は満たされていた。
自分自身へのクリスマスプレゼントを買ったなんて初めてではないだろうか?
スタジオへの道順を頭で確認しながら,道行く人全てに声を掛けたくなってしまっている僕がいた。

「ベリ−・メリ−・クリスマス!!」・・・と・・・・・


2004/12/25(土)0:15  自宅にて


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