初富士を見し車窓から


 見事な初富士だった。

やけに近く大きく見えた富士は,ダイナミックな雲と陽射しが織り成すコントラストに、まるで特別な正月仕様
の化粧を施されたかのようで、年明けに相応しい姿を披露してくれていた。
この富士が見たくて,僕は相模線に乗ったといっても過言ではないだろう。
「さて,今年はどのような年になるのだろう。そして、どのような出会いがあるのだろうか」
そんな思いの中に佇む僕を乗せた相模線は,静かに茅ヶ崎の駅に辿り着こうとしていた。
初外出になる本日の友としたのは,今シ−ズン購入した中で一番のお気に入りである、ジャンポ−ル・ゴル
チエ・オムのオ−ルレザ−(山羊・茶)ロングコ−トと、エンリ−ベグリンのショルダ−と、アルミ&レザ−の
ノ−トPCケ−スとして仕様しているバッグの三点。
そして今こうして,スタ−バックスで、レッツノ−トを前にスペシャルリザ−ブの本日のコ−ヒ−を飲みながら
この文章を打っている。
僕はもうすっかり,スタ−バッカ−だ。
ちなみに,精算にはスタ−バックス・カ−ドを使っていたりする。
先程も店員の方と正月の挨拶を交わしたばかりだった。
「そうだ,やっぱり今年一発目のエッセイには・・・」
朝・唐突に思いついた事を実行に移そうと,僕は思っていた。
エッセイではないが,自身初の小説を掲載しようと。
編集者には一度読んでもらっていて,いくつかの修正点のアドバイスをいただいていたのだが、多分あまり
手を加えず載せる事になるであろう。
本になるというのとは,少々違うので。
タイトルは「降り積もるI LOVE YOU」
これから読み返しを行い,直しを入れるところは入れて、アップ目標は10日前後といったところであろうか。
当たり前であるが「エッセイ」や「直筆」よりも長い。
掲示板に毎日・連載した後(のち)にアップしようかとも思ったのだが,分量も多いといった事もあり「やはり
一度に読んでいただいた方がいいな」という結論に達し,一気に掲載する事にしたのだ。
この初小説は,ある意味、僕の渾身の一作となっている。
文庫サイズから考えれば,短編小説といった部類になるのであろうか。
とにかく新春を飾るこの作品。
是非,御一読頂き、また沢山の感想を寄せていただきたいものである。
本の感想共々。
さて,では本日のコ−ヒ−をお替りして、作業に入ろうと思う。
外では,チラチラと雪が舞っているようだ。
随分,雲が多くなってきた。
雲間から差し込む陽射しが美しい。

暫く外にボンヤリと目を遣っていた僕は,意を決したように静かに席を後にした・・・


2005/1/1(土)15:51  茅ヶ崎「スタ−バックス」にて


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