伝説を継ぐ者



今シ−ズンのNFL(アメリカンフットボ−ル)のプレイオフは目が離せないゲ−ムばかりだったんですが,
とうとうス−パ−ボウルという大舞台に立つ2チ−ムが決定しました。
NFCチャンピオンには,シカゴ・ベア−ズ。
AFCチャンピオンには,インディアナポリス・コルツ。
べア−ズは,順当に勝ち上がってきたという印象が強いんですが,コルツは正直いって今シ−ズンもまたス−パ−ボ−ル
には手が届かないのかなと思っていました。
しかし,コルツはプレイオフに入り、レギュラ−シ−ズンのスタッツは全く関係ないと言わんばかりのディフェンスを
見せ,プレイオフ1回戦(ワイルドカ−ドプレイオフ)、NFL最強のディフェンスを誇るレイブンズを逆にディフェンスで圧倒、
敵のエ−スランニングバックに全くといっていい程仕事をさせず見事に封じ込めてしまったんです。
レギュラ−シ−ズンのランディフェンスがNFL最下位の32位だったにも関わらず。
特にレギュラ−シ−ズン終盤は相手チ−ムのランニングバックに好き勝手に走られ負けを重ねていたのにです。
そして2回戦(AFCカンファレンスチャンピオンシップゲ−ム)で,悲願のス−パ−ボ−ルに向けて立ちはだかる、
宿敵といってもいい、最近5シ−ズンで3度ス−パ−ボ−ルを制している、ニュ−イングランド・ペイトリオッツと激突。
終始リ−ドされる展開の中,前半で最大18点あった差を逆転し、悲願のス−パ−ボ−ル出場を果たしたのです。
最終第4クォ−タ−残り1分。
新人ランニングバック,アダイが逆転のタッチダウンランを決め、コルツがこのゲ−ムで初めてリ−ドを奪い、
最後は,ペイトリオッツのクォ−タ−バック、ブレイディのパスをディフェンスがインタ−セプト。
こうしてチャンピオンシップ史上語り継がれるであろう激闘の幕が降ろされたのです。
38対34
様々な要素が全て詰まり,両チ−ムが全ての力を出し切った、死力を尽くした、まさにグレイトゲ−ムでした。
このゲ−ム,余りに色々な事が起こり、ビックプレイも出た中で、何が勝敗を左右したのかと考えた時、僕は
ある一つの不確かな感情に思い当たりました。
前半が終了し,後半のコルツのオフェンスが始まった時。
「なんだろうこの感覚は」
何か,フィ−ルド上の雰囲気が全く変化してしまったかのような、胸騒ぎとは少し違う不思議な感情に包まれていました。
それも極めて静かな。
その感覚が続く中,プレ−は進み、コルツは、何と、一挙に15点をもぎ取り、同点としてしまったんです。
僕の包まれたあの感覚が何だったのかはうまく説明出来ませんが,あの瞬間に、もしかしたら、コルツ側に「勝利の
女神」が微笑んでいたのかもしれません。

歴代のアンタッチャブルレコ−ドを次々と塗り替え,NFL史上最高という呼び声も高い天才クォ−タ−バック、
ペイトン・マニングが、ついに悲願のス−パ−ボ−ルを制するのか。
悲運の名将と言われる,ヘッドコ−チ、トニ−・ダンジ−と共に。
率いる,素晴らしきチ−ム、コルツと共に。

それとも,いつでもス−パ−を獲れるだろうと言われながらも無冠のまま引退した、マニングのヒ−ロ−でもあった、
ある一時代を築き伝説となったクォ−タ−バック、ダン・マリ−ノと同じ道を歩むのか。
はたまた,大舞台には弱いと言われ続けた中、引退までの2シ−ズンで2連覇という偉業を達成し、やはり人々の記憶
に残るス−パ−クォ−タ−バック、ジョン・エルウェイのような道を歩むのか。

勿論,マニングは、まだ引退などを考える年齢ではないのですが、しかしチャンスはそうそう訪れるものではなく、
スポ−ツ選手である以上、選手生命に関わる怪我をしないとも限らず。
だから,チャンスは確実にものにしなければ。
今シ−ズンは,まさに千載一遇のチャンスと言えるのかもしれないからです。

全米が,全世界が注目する第41回ス−パ−ボ−ル

僕は,ここ数年一番感情移入してきた、コルツが、マニングが、ス−パ−ボ−ルチャンピオンになる瞬間を疑う事なく
テレビの前でエ−ルを送り続けるだろう。

ディフェンスア−ティスト,ア−ラッカ−率いるシカゴ・ベア−ズを、コルツのハイパ−オフェンスが切り裂く事を信じて。

マニングが,歓喜の中、ビンス・ロンバルディ・トロフィを天高く突き上げる事を信じて。

勝負事に「絶対」などないが、絶対コルツが勝つと信じて・・・


2007/1/22(月)17:51「46回目の誕生日を迎えて」 茅ヶ崎「スタ−バックス」にて


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