めぐる季節
「あっ・・・」

外に出ると,街は金木犀の香りで溢れていた。
「もう一年が経つのか」
金木犀の香りに包まれながら,駅までゆっくりと歩を進める。
何度も何度も深呼吸を繰り返しながら,ゆっくりと・・・ゆっくりと・・・
時々紛れ込んでくる潮の香りとのコラボに思わず頬がゆるむ。

「めぐるのは季節だけではないな」

最近,新ノ−トPCを購入していたのだ。
レッツノ−ト(Wシリ−ズ)ブラックタイプを。
冬バ−ジョンからシリ−ズが一新されるのは分かっていたのだが,僕が選んだのは、最後の「Wシリ−ズ」だった。
久しぶりに手にするレッツノ−ト。
前のレッツノ−トがクラッシュしてから使用していた,デルのミニノ−トは、これからサブに回ってもらう事になる。
「8年」
前任のレッツノ−トは,それ程の長きに渡り、僕を補佐してくれていた。
既に仲垣くんには「レザ−ケ−ス」を注文済みだ。
それプラス,特別な企ても。

ホ−ムに立ち,目を閉じる。
秋が身体に沁み込んでくるようだ。
目を静かに開けると,青い空に「金木犀の香り」が見えるような気がした。
「この事は認(したた)めないとな」
流れ往く雲を見ながら,そんな事を思っていた。

秋の優しい陽射しを浴びながら,そんな事を、思っていた・・・



2009/10/8(木)15:42 茅ヶ崎「スタバ」にて


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