電映おもちゃ箱

「そう言えば子供の頃は・・・」

ふと思い返してみたのだが,あの頃は確かに「おもちゃ箱」というものが存在していたし、同じ次元で「秘密基地」
というものも存在していた。
「秘密基地」の場合は,友達と共有していたり自分だけの空間だったりしたと思うのだが「おもちゃ箱」は、
正真正銘、紛れもない、自分しか知らない、自分だけの世界だった。
久しく使っていなかった,その「おもちゃ箱」という言葉を想い出させてくれたのが,今回仲垣くんに依頼して特別に創って
もらった「レッツノ−ト・スペシャルレザ−エディション」だ。
外観は,ブル−のグラデ−ションが美しい、エレガントな雰囲気を醸し出しているのだが、開けるとその印象は一転。
まさに「おもちゃ箱」なのだ。
キ−は全て,美味しそうなチョコレ−トのようで。
実はキ−タッチは最初,フリ−ハンドで刻印を打ってもらっただけだったのだが、2〜3日使った後、彼に電話を入れ、
文字部分に新たに「色」を容れて貰う事にしたのだ。
試しの後,ゴ−サインが出たので、今のフィニッシュバ−ジョンに至っている。
出来は。
僕の思惑通り,キ−は「ルックチョコレ−ト」のバナナ風に。
最上段の一列だけは「オレオ」になった。
フリ−ハンドで刻印された文字が,これまた「いい味」を出しているのだ。
僕は今,この「おもちゃ箱」を開けるのが楽しくて仕方がない。
もう暫くすると,こいつの「家」も出来上がってくる。
スタバに来て,こいつをスタンバイする間、僕は「トキメイテ」いる。
そして開けた瞬間は,いつも子供の頃に戻っているのだ。
キラキラと輝いていた,夢がいっぱい詰まった、あの「おもちゃ箱」を開けた時のように。
きっと同じ気分だった筈なのだ。
大人になった僕は,今、この特別な「おもちゃ箱」から無限の世界を覗いている。
こいつと一緒にいる限り,僕はいつでも「あの頃」に戻れるのだ。
毎日泥だらけになって遊んでいた「あの頃」に。
暗くなっても,寒くなっても走る事をやめなかった「あの頃」に・・・

今日も僕は,ある種の「トキメキ」と共にこいつを開けるのだ。
僕だけの「電映オモチャ箱」を・・・


2009/11/30(月)16:08 茅ヶ崎「スタ−バックス」にて


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