ジャンカ−出動!!

ここ数年,リメイク物好き期間が続いている。
感覚が少しずれていて「なんじゃこりぁあ!」と驚かされるのだが、ちゃんと「服」として成り立っている。
そんな「ハズレ感」を近年は楽しんでいるようだ。
先日、訪れたセレクトショップ「マカロニック」の、オ−ナ−兼デザイナ−兼スタイリストであるA君から「今日も攻めてますねぇ」「これハンパじゃないですね」と言われる程、何かもう「普通」という概念は、こと「ファッション」に関しては、僕の中には無いに等しいのかもしれない。
以前も,あるイベントで着用しようと思い、激ペイント加工されたジ−ンズを試しに履いていたのだが、A君から「こんなの履いてる人に声掛けられないっすよ」と言われたのだ。
本人はそれ程凄いと思っておらず,イベントで使えそうだと思っただけだったのだが。
「ジャンカ−」はアメリカのリメイクブランドで,日本では、知る人ぞ知るブランドのようだ。
僕は2着(レザ−ジャケットを)所有しているのだが,その内の1着は、知り合いに、新たにリメイクを施して貰うという凄い事をしてもらった。
リメイクのリメイク。
最近はパンツでも,サイズが合わなくても、ウエストなどをリメイクしてもらっている。
以前はサイズが合わないとその時点で諦めていたのだが,リメイクという方法があると知り、それをやる人間と知り合いになってからは、彼に頼み込んで直して貰っている。
実は最近も,あるパンツのウエストサイズを広げてもらった。
ジャンカ−に関しては,肩幅と身幅だ。
これにより僕の「ファッションの幅」は広がった。
靴は流石に「中敷き」を容れて調整するしかないのだが(逆は潔く諦める)。
「どうしても欲しい!」
そんな「逸品」に時々出会うのだが,それはもう自分に着られる運命だったのだと思うようにしている。
「俺が着ずして誰が着る!」みたいな(笑)。
曇天の空の下,気温と、実際に体感したものを加味して、黒のロングTシャツの上に、ジャンカ−(ダブルリメイクの方)1着だけを羽織る事にする。
「普通」という概念はファッションの中にないとは言っても「シンプル・イズ・ベスト」は一番の考えだとも思っている。
要は矛盾だらけという事だ。
でも何時からか「矛盾だらけでもいいじゃないか」と思うようになってきた。
だって・・・「人間」なのだから・・・
自分が自分の事を分からないところがあってもいいのだと。
いい加減なところと頑固なところと,その他色々な沢山の要素が、その人を、その人として成り立たせているのだから。

今シ−ズン初めて「ジャンカ−」に袖を通す。
すると「気持ち」が「戦闘モ−ド」に入るから不思議だ。
こいつは「気合い」を入れないと身に付けていられない服の1つとなっている。
一年間,クロ−ゼットで静かに眠っていた「こいつら」と再び共に「歩き」「生きる」季節が巡ってきた。

鈍色の空を見上げる僕の心は,さわやかに晴れ渡っていた・・・



2010/10/31(日)18:39 「自宅」にて


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