夏を奔る!


「ブロンプトンレザ−カスタム」デビュ−の日。

まるで一足飛びに夏がやってきたかのような30度越えのその日。
2ヶ月半振りとなるクル−ジングへと,僕は力強くペダルを漕ぎ出した。
この時期も,これから先の真夏を迎えても、茅ヶ崎から鎌倉に向かう道程全てで、風は「アゲインスト」となる。
正確に言うと「真正面」からというよりも海側から,右斜め前から「風」を受ける形が多くなるのだ。
時々正面からの強風という日もあって,そんな時は必死に「負けるか」と呟きながら、ひと漕ぎひと漕ぎに、ただただ集中する。
今日は久しぶりという事もあって「風」に難儀するかと思い覚悟していたのだが,いつもより10分程時間はかかったが,ペ−スを崩す事なく、ちょうど半分のポイントとなる「新・江ノ島水族館」前に到着した。
平日にも関わらず,浜には多くの人が繰り出していた。
既に「海の家」の設営も始まっており「江ノ水」前の浜はそれらで既に埋まり、そこからの風景を楽しみにしていた僕を少し落胆させた。
「江ノ島」は今日も元気だ。
「悪い!まだチャ−シュ−メン食いに行ってなかったな。もうちょっと待っててな!」
まるでオモチャのような愛車に跨り「マック」を目指す。
軽い昼食の後,サドルの位置を調整し「OKASHI0467」に向かう。
海岸通りもまるで休日のような車の列だ。
海沿いにある「カフェ」や「レストラン」なども軒並み混んでいるようだ。
「あっ」
稲村ガ崎で一軒気になっている「バ−」があるのだが,そこが開いていた。
「そうかぁこの時期から昼間はカフェになるのかぁ」
今度こなきゃなと思いながら緩やかな坂を上る。
下って暫く行くと懐かしい「由比ガ浜」だ。
そこへ行く途中の道は,ドラマ「流れ星」で、竹野内 豊が、何度もチャリンコで疾走していた場所だ。
撮影では逆の行程だったのだが。
「由比ガ浜」にも人は多い。
「OKASHI」を目前にしても驚いた。
人と車の多い事といったら。
「0467 Hasekamicho」のKさんに,約束通り「ブロンプトンレザ−カスタム」を見せに行きたかったのだが「OKASHI」から連絡を入れて貰ったところ、忙しすぎて厨房を出られないという返事が返ってきた。
一山は超えたらしいが一番多い時で「30人待ち」だったようだ。
こちらのKさんからは「凄いです。でも何かおもちゃみたいで可愛いですね」というお褒めの言葉を頂けて嬉しかったのだが。
「OKASHI」にも今日はひっきりなしにお客さんがやってきているようだ。
流石にこの炎天下のツ−リングは応えたようで,ア−ルグレイのアイスミルクティ−と、最近気に入っている「懐かしのマドレ−ヌ」の甘さが身体にじんわりと沁み込んでいくようだった。
ただ,本格的な夏の、本格的な暑さにはまだだったようで、そこらへんは助かった。
文庫本を開きながら「そういえばネット上には,俺の知らない北方作品がまだ色々とあったなぁ」などと考えていた。
「ブロンプトンも大丈夫なようだし」
レザ−カスタムをして気になっていた点があったのだが,今日のツ−リングで解決していたのだ。

「これからは,こいつと夏を奔るぞ!」

僕の目にはもう既に,青空にモクモクと沸き立つ入道雲と、クッキリとした陽射しが、何の迷いもなく鮮やかに映っていた・・・



2011/6/23(木)0:46 自宅にて


back Copyright 1999-2011 Sigeru Nakahara. All rights reserved.