「海の青・空の蒼・雲の白」

エレベ−タ−を降りると,いつもの場所でいつもの作業に入る。
気温32度。
梅雨が例年よりも早く明け,連日、厳しい暑さが続いていた。
外付けのキャリ−を外し,アメノスパッツィオ特製の専用鞄から折り畳まれた「ブロンプトン」を取り出す。
キャリ−を鞄に容れ,両脇を少し折り畳むと、それは大きめのリュックへと変貌する。
そいつを背負うと「ブロンプトン」を変形させ,サドルの位置を調節。
夏場は臀部に相当汗を掻くため,暫くはサドルカバ−を被せていた。
「レザ−カスタム」をしたばかりなので,仕方のない処置なのだ。
クリ−ム色のボディ−カラ−に,レザ−の「赤系」と「青系」の色合いが絶妙な雰囲気を醸し出している。
ちょっと見には「おもちゃ」のようだ。
自然に顔と心が綻んでいくのが分かる。
一度跨ってみる。
いいようだ。
腕時計で時間を確認した後,静かにペダルを漕ぎ出した。
今日も「こいつ」との時間が始まる。
いつもの「通り」を海に向かって進んでいく。
「図書館」「教会」「高砂緑地」
通称「鉄砲通り」を越えると,暫くして「幼稚園」「市営テニスコ−ト」「市営球場」
信号は赤。
この海岸通を渡った先が海で,鵠沼海岸まで「サイクリングロ−ド」が走っている。
空を見上げる。
一羽のトンビが海に向かって優雅に滑空していく。
スポ−ツドリンクをひとくち。
腕で口元を拭う。
帽子を目深に被り直すと,歩行者用の信号が点滅を始めた。
濃い汐の香りに導かれるように「海の時間」の中へと,僕は「ブロンプトン」と共に漂い始める・・・

富士山の雄姿は雲に遮られて見えないが「烏帽子岩」も「江ノ島」も今日はとても鮮やかだ。
同じコ−スを同じ角度で同じように奔っているのだが,いつも何か新たな「発見」があり、驚かされる。
「あれっここからの風景ってこんなに凄かったっけ」
「この角度って最高だ!」
「今日の光はまた何!」
「自然が生み出すコントラストってスッゲ〜!!」
などなど。
鵠沼海岸までの間にも何箇所か「とてもお気に入り」のポイントがあるのだが,つい先日も「えっ!」と思い「ブロンプトン」を止めて暫し見入ってしまった風景があった。
そんな時は,毎日違う「同じ風景」の中に身を置いているという不思議に、ただただ「何か」に感謝し、ただただ感動するだけしか出来ないのだが。
その日一番心が動かされたのは,こちら、江ノ島側から稲村ガ崎の緩やかな坂を上りきった場所から見た「風景」
遙か向こうの空に,大きな大きな入道雲がニョキニョキと沸き立ち、海の青と空の蒼と雲の白とそこに映り込む全てが、クッキリとした陽射しの中「微笑んで」いるかのように輝いていて。

「ここからもこんなに・・・」

坂を下りながら「また来たよぉ〜!!」と叫ぶ瞬間が堪らなくて。
その日は最近感じている色んな思いを「叫び」ながら「由比ガ浜」まで奔り。

(ちなみに今の時期ツ−リングに出掛ける時は「アロハ」の替えと「ビオレ・サラサラパウダ−シ−ト(携帯用)」を常備している。
夏の朝は汗の吹き出た身体にこの「サラサラパウダ−シ−ト」がとても気持ちいいのだ。
嫌な匂いも消してくれるし。
それプラス,出掛ける前には「ギャッツビ−」の「パウダ−デオドラントアクア フレッシュソ−プ」を使用している)
「鎌倉清雅堂」でMさんに「ブロンプトンレザ−カスタム」を紹介し,何故かその後カウンタ−で、冷たいお茶とサラダを頂きながら一時間程お喋りをした後「OKASHI0467」へ赴き。
帰り際「OKASHI」のKさんが連絡をしておいてくれた「0467 Hasekamicho」のKさんが自転車で寄って下さって、以前から約束していた「レザ−カスタム」を見ていただく事ができ。
Kさんも鎌倉での移動はもっぱら自転車という事で,いつも颯爽と軽快に「ピストバイク」を奔らせているようだ。
「ここから自転車では帰らないんですか?」
との問いに「ハハハ・・・」と笑いで誤魔化し。
「凄まじい西日の中,海沿いを奔りながら帰ったら焼け焦げてしまうんで」
と心の中で思っている自分がいたり。

Kさんに別れを告げ,僕は「愛車」に跨る。
「あれっ,改装中なんだ」
と「たい焼き なみへい」を横目で見遣りながら「今度久しぶりに食べてみるかな」などと考えていた。
まだまだ元気な夏の陽射しの中,いつもの通りを「鎌倉」駅へのクル−ジングを、ゆっくり楽しむ僕がいた・・・



2011/7/12(火)17:58 自宅にて
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