小春日和より

11月1日(火)
この日からいよいよ「ビ−ト・ワン」所属としての日々がスタ−トする。
仕事に着ていく上下の服は決まっていたのだが,靴がまだ決まっていなかった。
暫しの黙考の後(のち)。
選んだのは,僕が雑誌で見て「欲しい」と思い、初めて問い合わせをして購入をしにいった靴だった。
もう何年前になるのだろう。
場所は確か,銀座「ワシントン靴店」。
電話で問い合わせをしてあった旨をスタッフに伝えると,奥から、お目当ての靴を持ってきてくれた。
イタリアの名門「プレミア−タ・ウォモ」
これはその中でも定番の商品であるという事だった。
雑誌で見ても思ったのだが,とても「品」のある、ブラックカラ−の美しいブ−ツだった。
幾つか取り扱いのあるショップに電話を入れてみたのだが,ここ「ワシントン靴店」に、一足だけ残っているという。
それも僕にピッタリのサイズが。
履いた瞬間「これはいい」と思った。
少し歩いてみながら,鏡と何度もにらめっこをしながら、気持ちは少しづつ、固まっていった・・・

あの時から,僕のショッピング熱は高まっていったのかもしれない。
今ではブ−ツだけで,10数足。
数はそう多くないと思う。
だって,全足、かけがえのないブ−ツ達なのだから。
そして同時に,鞄や服なども増え始めていった。

ある意味,僕の初めの一歩を記してくれた「靴」で、新しい船出を祝いたかったのだろう。
何事も初めが肝心である。

しっかりと自分の足で歩いていかなければ。

少しの「恐れ」と,大いなる「希望」を胸に抱きながら、僕は、駅への道を歩き始めていた・・・



2011/11/2(水)15:37 自宅にて


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