4羽の蝶々 |
4羽の白い蝶々が海面に浮いていた・・・ その日僕は久しぶりに「ブロンプトン」でのクル−ジングに出掛けていた。 江ノ島を過ぎ,鎌高前、七里ヶ浜辺りを、のんびりと進んでいた。 その時だったのだ。 少し沖合を行く4羽の白い蝶々を目にしたのは。 それは4艇のウインドの白だと思うのだが,僕には瞬間「蝶々」に見えた。 暫く見ていると,どうやら水上バイクが先導しているようだ。 逗子マリ−ナか葉山マリ−ナ辺りを目指しているのだろうか。 そんな事を思いながら,強くなってきたアゲインストの中、ペダルを力強く漕ぎ続けていた。 決してスタンディングの姿勢にはならない。 ギアも軽くしない。 何故ならこのクル−ジングには「身体を鈍らせない為」という運動の目的も含まれているからだ。 決めた事は最後まで遣り通す。 それがどんな些細な事であっても,自分に課した事は当たり前に貫かなくては嫌な性格(タチ)のようだ。 稲村ヶ崎の緩やかな坂に達しようとしていた時「蝶々達」は沖合で羽を休めていた。 「じゃあね」と呟き,坂を上る。 「うりゃ!うりゃ!」と小さく声を出しながら,その緩やかな坂を上って行く。 夏の盛りの時には「蝉時雨」を身体一杯浴びていた。 空には,とてつもなくデカイ入道雲が沸き立っていた。 テッペンを過ぎ,下りに入る。 向こう側へ。 あと少し奔れば「由比ヶ浜」「材木座」が見えてくる。 海には「蝶々達」の姿はなかった。 「Uタ−ンした事も有り得るな」 そんな色々な事を考えながら,また俺はここに帰ってきた。 そしてこれからも,何度も何度も「ここに」帰り続けるだろう。 時には「ブロンプトン」で。 時には「江ノ電」で。 「今日は久しぶりにケ−キも注文してみるか!」 心がどんどん開放されていくような気がして。 ペダルもどんどん軽くなっていくような気がして。 由比ヶ浜は,今日もとても穏やかな表情を見せていた・・・ 2012/1/27(金)18:10&19:18 自宅にて |
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