「浜昼顔咲いていた」〜2012初夏〜

「クロアゲハ」が舞っていた。
そう言えば,庭で舞っている姿は久しく見ていなかったかもしれない。
「アゲハ」や「キアゲハ」は見掛けていたのだが。
そして一つ気が付いた事がある。
アゲハ達の形だ。
僕が小さい頃見ていた姿よりも,今はシャ−プになっているようだ。
より羽根が鋭角になり,舞う姿も「ユラユラ」と言うよりも「キビキビ」とした印象を受ける。
生きる為に進化したのかなぁなどと思ってみたり・・・

そう言えば先日,と言っても、一ヶ月以上前の事になるのだが、久しぶりに出掛けた「ブロンプトン・クル−ズ」で、思わず声をあげてしまった再会があった。
「浜昼顔」が,そこここに咲いていたのだ。
特に,サイクリングロ−ドの上り左側に多かったのだが、砂丘のようになった砂浜にも、点々とだが咲いていたのだ。
注意深く見ていくと,所々に群落をつくりながら。
「何で,今迄気が付かなかったんだろう」
それは多分,この時期に僕がここを走っていなかったからなのだろう。
だって,僕はず〜っと長い間「浜昼顔」がなくなってしまったと、寂しく思っていたのだから。
東海道線からポイントポイントに見える「昼顔達」も,年々テリトリ−を増やし、群落もじょじょに大きくなっている。
「浜昼顔達」も,きっと同じだったのだろう。
これから,もっともっと仲間を増やし、あの頃のように、一面に敷き詰められた絨毯のような「浜昼顔達」に再会を果たしたいものだ。
しかし「植物達」の強さには感服する。
そして,その「健気さ」は神々しくさえある。

今日も僕は,足元に咲く、名もなき一輪と挨拶を交わす。
そんな時,心がとても穏やかになっている事に気付く。

一輪一輪との出会いが積み重なり,僕という人間に「豊かさ」という幅を持たせてくれている。
そんな時,心がとても晴れやかになっているのだ。

庭では「アゲハ達」が舞っている。

僕の目にはハッキリと映っていた。
夏空の下「浜昼顔達」の群落を縫って「アゲハ達」が自由に優雅に舞っている姿が・・・



2012/7/10(火)22:44 自宅にて


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