久しブリ−ズ!!

「4ヶ月振りかぁ・・・」

そんな事を呟きながら,僕は「ブロンプトン」をサイクリングロ−ドに漕ぎ出していた。
サ−ファ−の数が多い。
どうやら台風の影響で波がいつもより立っているようだ。
富士山は生憎雲に阻まれ見えなかった。
空気は澄んでいる。
今日は,まるで、又夏が始まるかのような暑さになったのだが、肌は確実に「秋」の訪れを感じ取っていた。
暫し「赤蜻蛉」と並走する。
「烏帽子岩」も「江ノ島」もクッキリ見える。

「前に奔った時には,浜昼顔に感動したっけ」

そんな思いに浸りながら,いつもの「第一チェックポイント」で吸水の為ペダルを休める。
何もかもが変わらない。
「自然は何も変わらない」
海と空と江ノ島を見つめながら暫らく行くと「第二チェックポイント」である通称(僕が付けた)「風の谷」に到達。
同じく吸水の為ペダルを休める。
ここまでの間,海はサ−ファ−で賑わっている。
そして,前半戦の最後のポイント「新・江ノ島水族館」前。
ここは,ドラマ「流れ星」で、主人公である二人が良く話をしていた場所だ。
ここに来ると必ず「流星」をくちずさむ。
今日は何と「フルコ−ラス」くちずさんでしまった。
そしてランチを摂る為,小田急線「片瀬江ノ島」駅前へ。
僕はここで立ったまま「おにぎり」を二個頬張り,グビグビと水分を補給し、5分〜10分の休憩を取った後、後半戦の道程へと再びペダルを漕ぎ出す。
後半戦の吸水ポイントは一箇所。
江ノ電沿いのこの場所は僕のお気に入りで,近くの電柱の上には、良く「トンビ」が休憩をしている。
後ろの小山の枝先にも,ちょうどいい感じの枝なのだろう、ちょこんと羽を休めている光景を時々見る事が出来る。
「じゃあね!」と,トンビに片手を挙げながら、最終目的地「OKASHI0467」を目指す。
稲村ヶ崎を超えると,懐かしい「由比ガ浜」だ。
「帰って来たよ〜!」
と声を掛けながら「由比ガ浜」を駆け抜ける。
元気な陽射しが,ず〜っと僕の身体に、心に、降り注ぎ続けていた。
汗が心地良い。
到着すると「ブロンプトン」をたたみ,店の中へ。
いつものKさんの笑顔に触れ,ホッとする。
トイレで着替えを手早く済ませ,席に付く。
(勿論この時「ビオレサラサラパウダ−シ−ト」を使った事は言うまでもない事なのだが)
最近の僕の定番,とても美味しい「水出しのアイスティ−」を注文する。
何と今回は「まかないなんですが」と言ってKさんが、シンプルなケ−キを振舞ってくれた。
とても幸福な時間が流れる中,僕の意識は「本」の中へと深くダイブし始める。
その合間に「アイスティ−」を一口。
ケ−キを一口。
やがて本を静かに閉じると,暫し黙考した後、帰り支度を始め、ゆっくりと階段を下りる。
いつもなら二言・三言話して辞するのだが,今回はKさんと様々な話で盛り上がってしまい、キャッシャ−の前で、結局一時間程も立ち話をしてしまった。
その間もお客さんはやってきていたのだが,他のスタッフがさばいてくれていたのだ。
今日はこれでまだ終わらない。
「鎌倉正雅堂」にちょっと挨拶をと思って寄らせて頂いたのだが,店主のMさんとの話が止まらず、何と、ここでは、お茶とお茶菓子を頂きながら、一時間半も御邪魔してしまった。
勿論こちらでも他のお客さんは訪れてきていて,時々Mさんが対応しながら、僕と喋り続けていたのだが。
そう言えば,スペシャルドラマ「最後から二番目の恋」の撮影は、もう終わってしまったとMさんが言っていた。
そしてMさんとは,ある「約束」をして別れたのだが、やはり人との繋がりは面白いと再認識させられた。
まだまだ涼しさには至らない「長谷」界隈を「鎌倉駅」へとクル−ジングしながら,僕は思っていた。

「秋から冬へと,鎌倉はまたこれからが面白いんだ!」と。

様々な人と繋がる旅は,まだまだ始まったばかりだ・・・



2012/10/6(土)13:38 自宅にて


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